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一般法人法111条1項の責任は、原則として総社員の同意がなければ損害賠償の額の全てを免除することができないとされています。(一般法人法112条)
※「一般法人法111条1項の責任」とは
理事、監事又は会計監査人(以下「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
役員等の責任の一部免除には、次の方法があります。
① 社員総会の特別決議による責任の免除(一般法人法113条1項)
② 定款の定めに基づく理事等による責任の免除(一般法人法114条1項)
③ 外部役員等に関する定款の定めによる責任限定契約(一般法人法115条1項)
①は法定されているものであるため、定款等に定めがなくとも社員総会で決議をすることができ、②は定款に定めることで初めて理事会で決議することができます。また、③は、定款で定め、かつ外部役員等と責任限定契約を締結することが必要です。
※「外部役員等」とは
外部理事、外部監事又は会計監査人のこと。
※「外部理事」とは
当該一般社団法人又はその子法人の業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人の業務を執行したその他の理事をいう)又は使用人でなく、かつ、過去に当該一般社団法人又はその子法人の業務執行理事又は使用人となったことがない理事のこと。
※「外部監事」とは
一般社団法人の監事であって、過去に当該一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人となったことがない監事のこと。
免除するための要件と限度は次とおりです。
1.免除の要件
① 役員等が、職務を行うにつき、善意でかつ重大な過失がないこと
② 責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、理事会の決議によって免除することができる旨の定款の定めがあること
③ ②の定款の定めに基づいて、役員の責任を免除する旨の理事会の決議があること。
2.免除の限度
賠償の責任を負う額から「最低責任限度額」を控除して得た額が、免除することができる限度の額となります。
当該役員の責任免除額=当該役員が負うべき賠償総額―最低責任限度額(※)
※「最低責任限度額」とは
役員等が一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は、受けるべき財産上の利益の1年間当たりの額に、それぞれ、以下の係数を乗じて得た額のことです。
また、役員等の責任を免除する旨の理事会の決議を行ったときは、理事は、遅滞なく、次のことを社員に通知しなければなりません。
(1) 一般法人法113条2項各号に掲げる事項
① 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額
② 免除することができる額の限度及びその算定の根拠
③ 責任を免除すべき理由及び免除額
(2)責任を免除することに異議がある場合には、一か月を下らない一定の期間内に当該異議を述べるべき旨
なお、責任を負う役員等であるものを除いた総社員の議決権の10分の1以上の議決権を有する社員が期間内に異議を述べたときは、一般社団法人は、役員等の責任を免除できません。
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