吸収合併について

吸収合併は、2つ以上の会社が契約を締結して行う行為で、当事会社の一方が他の会社の権利義務の全部を承継し、当事会社のもう一方が清算手続きを経ずに解散します。

権利義務を承継する会社を「存続会社」、解散する会社を「消滅会社」などと呼びます。

吸収合併の効力は、吸収合併契約において定められた効力発生日に生じますが、吸収合併消滅会社の合併による解散は、その登記をしなければ第三者に対抗することができず、効力発生日より2週間以内に存続会社については合併による変更登記を、消滅会社については解散の登記をする必要があります。

また、吸収合併はあらゆる種類の会社同士(合名会社・合資会社・合同会社・株式会社)ですることができます。

ここでは、手続きの流れを存続会社と消滅会社に分けて簡単にご説明します。

存続会社の手続き

吸収合併における存続会社の手続きの流れは以下のとおりです。赤字で記載している部分がお客様にやっていただく部分、黒字部分が当事務所が行う部分です。

◆手続きの流れ

@まずは電話やフォームで相談

A事前準備

  • 合併覚書や合併契約書を作成します。
  • 合併に関する基本的な事項、合併契約書に記載されない重要な事項は、合併覚書に記載します。

B取締役会による合併する旨の決議

  • 取締役会のない会社は取締役の過半数の合意が必要です。

C合併契約の締(会社法749条)

D合併契約書等の備置き・閲覧等(事前開示)(会社法794条)

  • 吸収合併契約備置開始日から合併の効力発生日後6か月を経過するまで合併契約書等を本店所在地において備え置きます。
  • 備置開始日とは以下のうち最も早い日を指します。
  • (ア)株主総会の2週間前の日
    (イ)反対株主に対する株式買取請求の通知または公告の日のいずれか早い日
    (ウ)債権者保護手続きに関する通知または公告の日のいずれか早い日

E株主総会での承認(会社法795条)

  • 合併の効力発生日の前日までの間に行います。
  • 招集通知は公開会社においては株主総会の開催日2週間前までに行う必要があります。
  • 略式合併(会社法796条1項)、簡易合併(会社法796条3項)に当たる場合は株主総会での承認を省略できる場合もあります。
  • 種類株式を発行している場合は、その総会決議が必要な場合があります。

F反対株主への株式買取請求の通知または公告(会社法797条)

  •  以下の株主は投下資本回収のため、株式の買取請求をすることができます。そのため、各株主に通知または公告をする必要があり、合併の効力発生日の20日前までに行う必要があります。
  • (ア)株主総会で合併に反対した株主
    (イ)株主総会において議決権を行使することができない株主
    (ウ)株主総会の決議を要しない場合にはすべての株主

G債権者保護手続き(会社法799条)

  • 官報公告及び知れている債権者への各別の催告が必要です。
  • 債権者が異議を述べることができる期間は1か月を下回ることはできません。
  • 官報公告及び定款所定の公告方法により公告を行った場合は各別の催告は不要ですが、定款所定の公告方法が官報による公告の場合は各別への催告は省略できません。
  • 債権者が異議を述べた場合、弁済、相当の担保の提供、信託のいずれかを行う必要がありますが、当該債権者を害するおそれがない場合は手続き不要です。

H効力発生日(会社法750条第1項)

  • 合併契約で定めた日に効力が発生します。

I登記申請(会社法750条第2項)

  • 効力発生日から2週間以内に行います。

J事後開示(会社法801条)

  • 効力発生日後遅滞なく始め、効力発生日から6か月間本店に備置く必要があります。

K登記完了後に書類をご返却します

  • 登記申請に使用した書類などをご返却いたします。

 

※EFGは同時に進行できます。

 

消滅会社の手続き

吸収合併における消滅会社の手続きの流れは以下のとおりです。赤字で記載している部分がお客様にやっていただく部分、黒字部分が当事務所が行う部分です。

◆手続きの流れ

@まずは電話やフォームで相談

A事前準備

  • 合併覚書や合併契約書を作成します。
  • 合併に関する基本的な事項、合併契約書に記載されない重要な事項は、合併覚書に記載します。

B取締役会による合併する旨の決議

  • 取締役会のない会社は取締役の過半数の合意が必要です。
  •  

C合併契約の締結(会社法749条)

D合併契約書等の備置き・閲覧等(事前開示)(会社法782条)

  • 吸収合併契約備置開始日から効力発生日まで合併契約書等を本店所在地において備え置きます。
  • 備置開始日とは以下のうち最も早い日を指します。

  (ア)株主総会の2週間前の日

  (イ)反対株主に対する株式買取請求の通知または公告の日のいずれか早い日

  (ウ)新株予約権者に対する買取請求の通知または公告の日のいずれか早い日

  (エ)債権者保護手続きに関する通知または公告の日のいずれか早い日

E株主総会での承認(会社法783条)

  • 合併の効力発生日の前日までに行います。
  • 招集通知は、公開会社においては株主総会の開催日2週間前までに行う必要があります。
  • ただし、略式合併(会社法784条1項)に当たる場合は株主総会での承認を省略できる場合もあります。
  • 種類株式を発行している場合は、その総会決議が必要な場合があります。

F反対株主への株式買取請求の通知または公告(会社法785条)

  • 以下の株主は投下資本回収のため、株式の買取請求をすることができます。そのため、各株主に通知または公告をする必要があり、合併の効力発生日の20日前までに行う必要があります。

  (ア)株主総会で合併に反対した株主

  (イ)株主総会において議決権を行使することができない株主

  (ウ)株主総会の決議を要しない場合にはすべての株主

  • 新株予約権を発行している場合は、その買取請求手続きも必要です。

G債権者保護手続き(会社法789条)

  • 官報公告及び知れている債権者への各別の催告が必要です。
  • 債権者が異議を述べることができる期間は1か月を下回ることはできません。
  • 官報公告及び定款所定の公告方法により公告を行った場合は各別の催告は不要ですが、定款所定の公告方法が官報による公告の場合は各別への催告は省略できません。
  • 債権者が異議を述べた場合、弁済、相当の担保の提供、信託のいずれかを行う必要がありますが、当該債権者を害するおそれがない場合は手続きは不要です。

H株券提供公告及び通知(会社法219条)

  • 株券発行会社においては、効力発生日の1か月前までに行う必要があります。ただし、現に株券を発行していない会社は不要です。

I効力発生日(会社法750条第1項)

  • 合併契約で定めた日に効力が発生します。

J登記申請(会社法750条第2項)

  • 効力発生日から2週間以内に行います。

K登記完了後に書類をご返却します

  • 登記申請に使用した書類などをご返却いたします。

 

※EFGHは同時に進行できます。