合同会社の資本金の額の増加

合同会社の資本金の額を増加させるには次の方法があります。


  ①社員が出資した場合

   (1)新たな出資により新社員が加入する場合

   (2)既存の社員の出資の価額の増加

 ②会社が社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上することと定めた場合

 ③会社が資本剰余金の額の全部又は一部を資本金の額とするものと定めた場合


①社員が出資した場合

(1)新たな出資により新社員が加入する場合

 総社員の同意(定款に別段の定めがある場合を除く)により、新たな出資をする新社員に関する定款規定の変更をしたときに、増資の効力が生じます。

 新たに社員になる者が、定款変更時に出資に関する払込みや給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、その払込みや給付を完了したときに社員となります。

  社員が出資の履行をした場合、合同会社の資本金の額は、その出資により払込み・給付された財産の額の範囲内で、合同会社が計上するものと定めた額の資本金が増加します。

 

(2)既存の社員の出資の価額の増加

 総社員の同意(定款に別段の定めがある場合を除く)により、既存社員の出資の価額を増加する定款変更をすることができます。 

 その既存社員が増加分の出資に関する払込みや給付を完了したときに、増資の効力が生じます。

 社員が出資の履行をした場合、上記(1)と同様に、合同会社の資本金の額は、その出資により払込み・給付された財産の額の範囲内で、合同会社が計上するものと定めた額の資本金が増加します。

 

②会社が社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上することと定めた場合

 合資会社の無限責任社員が退社することにより、合資会社から合同会社への種類変更が擬制された場合などに発生する社員の出資の価額のうち未履行部分について、出資履行請求権を資産計上することにより、資本金を増加させることができますが、この形式は特殊なケースです。

 この場合は、業務執行社員の過半数の一致により、その出資履行請求権の価額の範囲内で、資本金として計上すべき額を決定します。

 資産計上に係る出資履行請求権の価額は、定款で定めた価額が基準になります。

 

③会社が資本剰余金の額の全部又は一部を資本金の額とするものと定めた場合

 業務執行社員の過半数の一致により、いつでも資本剰余金を資本金に組み入れることができます。 

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司法書士・行政書士池見 啓介
東京司法書士会所属
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