代物弁済とは、「債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は弁済と同一の効力を有する」(民482条)と規定されているように、本来の債務の履行をする代わりに別のものを給付したときには、その給付をもって弁済をしたことにするという契約です。借りたお金を返す代わりに不動産や車や絵画などを渡す場合がこれにあたります。


◆要件

代物弁済をするには次の要件を満たすことが必要です。

①当事者間に債務が存在すること

②本来負担していた給付と異なる給付が現実になされること

  • これを要物契約といいます。

③本来の弁済に代えてなされること

④当事者間の契約(債権者の承諾)があること


◆代物弁済として給付する財産

  • 代物弁済として給付する財産が、必ずしも債務と同価値である必要はありません。
  • 代物弁済は、本来の債務の額より、給付する財産の額が大きい場合でも有効に成立します。ただし、代物弁済として給付されたものが本来の給付よりはるかに多額のもので、暴利行為になりうる場合は無効とされます(最高裁・昭和27.11.20)。
  • 逆に、給付する財産の額が本来の債務の額より小さい場合でも、代物弁済により本来の債権は消滅するので、差額を請求することはできません。この場合、債権の一部のみを消滅させ、残りの債権額について引き続き債務者が返済するという契約も有効です。
  • 代物弁済として給付されたものに不具合(隠れた瑕疵)があった場合でも、債権は消滅し、それを担保していた権利も消滅します。この場合、不具合の無いものの給付を請求することはできません。たとえば、中古不動産を代物弁済として給付したあとに、雨漏りが発生し、実は屋根に欠陥があったが、元の所有者もそれに気付かなかったという場合でも、債務の返済をしたことに代わりありません。

◆代物弁済をしたことになるのはどの時点か

①金銭債権を給付する場合

  • 代物弁済として金銭債権を譲渡する場合は、譲渡人から債務者への譲渡したことの通知、または、債務者の譲渡したことへの承諾(対抗要件の具備)がなされているときは、その金銭債権の弁済期が到来していなくても、弁済としての効力を生じます。

②不動産を給付する場合

  • 代物弁済として不動産を譲渡する場合は、単に意思表示をするだけでなく、所有権移転登記手続きの完了など、第三者への対抗要件を具備したときに弁済としての効力を生じます。

◆代物弁済で注意すべきこと

代物弁済で取得した不動産を売却して処分する場合には、次の理由から、買主に対し目的不動産の取得の経緯を十分に説明する必要があるでしょう。

  • 借金の返済の代わりとして不動産を取得したという認識を買主が持つ可能性がある。
  • 債務額より目的物の価格が著しく高いなど、目的物の価格と債務額の間に開きがあった場合に、後日債務者から不当利得返還請求をされる可能性がある。
  • 不動産仲介業者を介さないで不動産が譲渡され、所有権移転登記まで済んだ場合に、目的物の境界線の確認、面積の確認などがされていない可能性がある。

不動産の名義変更のページに戻る。

お問合せ・ご相談

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-5830-7417

受付時間:10:00~21:00(平日)
      要予約(土・休日)

台東区・墨田区の司法書士・行政書士事務所です。遺言、相続、成年後見、会社設立、古物商・宅建業許認可、ローン借り換え、抵当権抹消、債務整理など司法書士・行政書士がご相談にのります。浅草駅徒歩2分と便利です。
◆ご相談無料&着手金0円
◆相続に関する複雑な手続きをお任せください
◆会社設立は登記申請まで代理します
◆過払い金を取り戻し借金を減らす交渉をします

遺言・相続・会社設立・債務整理の専門家
男性司法書士と女性司法書士がお伺いします
銀座線・都営浅草線・東武線・つくばエクスプレス利用

対応エリア
東京都台東区、墨田区、葛飾区、荒川区、足立区、江東区、江戸川区、埼玉県八潮市、草加市、越谷市、三郷市、吉川市といった東武伊勢崎線やつくばエクスプレス沿線、京成線沿線の千葉県市川市、船橋市、鎌ヶ谷市、白井市

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

03-5830-7417

<受付時間>
10:00~21:00(平日)
要予約(土・休日)

ごあいさつ

司法書士・行政書士池見 啓介
東京司法書士会所属
簡裁訴訟代理関係業務認定
成年後見センター・
  リーガルサポート正会員
東京都行政書士会所属

浅草雷門司法事務所
浅草雷門行政書士事務所

住所

〒111-0033
東京都台東区花川戸1-151
フェスタ花川戸604

営業時間

10:00~21:00(平日)
要予約(土・休日)

会社の設立・変更はこちら

会社の設立や定款変更など
登記の疑問にお答えします