相続手続きの流れ

被相続人が亡くなった後の手続きの概略は以下のとおりです。相続手続きには多くの届け出や申請があったり、期限が定められているものもあります。

①相続開始（死亡）

• 死亡届は死亡診断書を添付して7日以内に提出します。
• 役所等への届出は多岐にわたります。ご自身に必要な手続きを把握するために専門家に相談するのもよいでしょう。

②通夜・葬儀

③初七日法要

④遺言書の有無の確認

• 遺言書が見つかった場合は家庭裁判所での検認手続きが必要ですので、開封しないままにしておきましょう。
• 被相続人が公正証書遺言を作成したと言っていた場合は、公証役場で公正証書遺言の検索が可能です。
• 遺言書がある場合は、相続財産の分配方法は遺言書に記載された方法が最優先されます。
• 遺言者に遺言執行者の指定がない場合で、遺言執行者が必要な場合は家庭裁判所に選任を求めます。
• 遺言書に偽造の疑いがある場合も検認手続きを経てから遺言無効確認の調停・審判・訴訟を行います。
• 遺言書に相続人の廃除についての記載がある場合は、家庭裁判所に申し立てる必要があります。
• 遺言書に遺贈について書かれている場合もあります。
• 相続人には相続財産の一定割合である遺留分があります。
• 遺留分を侵害している場合は遺留分減殺請求ができます。

⑤相続人と相続財産の調査

• 相続人の調査は被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せて行います。
• 相続人と相続人の調査方法については次のページをご覧ください。
• 所在不明・生死不明の相続人がいる場合、相続人の存在・不存在が不明な場合は次のページをご覧ください。
• 一定の事由がある相続欠格者は相続人になれません。
• 相続放棄をしている人は相続人ではなくなります。
• 被相続人の財産の調査を開始します。財産にはマイナスの財産（借金）も含みます。
• 不動産の価格にはいくつかの種類があります。
• マイナスの財産が多かった場合の相続方法については次のページをご覧ください。
• 相続分をほかの相続人や第三者に譲渡することもできます。
• 被相続人が亡くなる前に贈与等を受けていた場合の特別受益については次のページをご覧ください。
• 被相続人の財産の維持や増加などに特別な寄与をした場合の寄与分については次のページをご覧ください。
• すべての財産をまとめた相続財産目録を作成します。

⑥四十九日法要

⑦相続放棄・限定承認の申述

• 相続財産の調査結果をもとに相続方法を検討します。
• 各相続人は、原則、法定相続分に基づき相続財産を相続します。相続分については次のページをご覧ください。
• 法律によって、単純承認、相続放棄、限定承認という3つの相続の方法があります。
• 相続放棄や限定承認をする場合は、原則、相続開始から3か月以内にする必要があります。3か月以内に判断できない場合は次のページをご覧ください。
• 相続の方法については次のページをご覧ください。

⑧所得税の申告と納税

• 被相続人の所得税の申告は相続開始から4か月以内に申告する必要があります。

⑨遺言の執行・遺産分割協議

• 遺言書がない場合は遺産の分割方法を相続人全員で協議し、協議書には実印で押印します。
• 遺産分割協議の方法については次のページをご覧ください。
• 相続分とおりに分割せずその差を代償金で補う代償分割という方法や、遺産を売却してその売却代金を分割する換価分割という方法もあります。
• 相続人のうち、未成年者や認知症の方は遺産分割協議をすることができません。そこで、未成年者や認知症の方を代理する特別代理人を選任する必要があります。
• 相続人の間で話し合いがまとまらない場合には、第三者的立場にある裁判所に間に入ってもらい、遺産分割調停や遺産分割審判をすることができます。
• 相続財産の中に債務がある場合には、原則として法定相続分に応じて債務を引き継ぎますが、遺産分割協議をして特定の相続人のみが引き継ぐという方法もあります。
• 遺産分割や相続の事例集もご覧ください。

⑩相続税の申告と納税

• 相続人が納付する相続税の申告は相続開始から10か月以内にしなければなりません。
• 相続税を納めなければならない場合は納税の方法も検討しておきます。
• 遺産分割協議が終わっていない場合でも期限までの申告が必要です。

⑪遺産の名義変更手続き

• ⑦の協議内容に従って被相続人が所有していた不動産や預貯金、株式などの名義を変更します。
• 不動産の登記申請が終了すると、相続人に対して登記識別情報もしくは登記済証が通知されます。